Aはどのような子どもだったのか
以前のAさんは、目立つことのない非常に穏やかな児童でした。教師の指示に対して非常に従順で、関わる相手は1~2人の特定の仲間に限られていました 。言われたことを淡々とこなすため、教師にとっては「手のかからない子」でしたが、彼女自身の「意思」は表面に見えていませんでした 。
算数授業をどのように変えたのか
「脱教師主導」を掲げ、子どもたちが自ら学び方を選択できる環境へと転換しました 。
・「学習方法の選択」の導入: 従来の「授業→練習問題→AIドリル」という一律の流れから、「授業→選択学習」という形式に変更しました 。
・主体性の委ね: 子ども自身に「どう学ぶか」を委ねる時間を設けました 。
・「教師からの挑戦状」: 単に問題を解くだけでなく、考え方やポイントを画用紙に「自由にまとめる」という選択肢を提示しました 。
そのことが彼女にもたらした変化とは
自ら選択できるようになったことで、彼女の姿勢に劇的な変化が現れました。
・自分なりの表現: 丸や三角などの図形を用いて構造化したり、色を使って視覚的に分類したりして、自分なりの整理を行うようになりました 。
・教科書の枠を超えた探究: 日本と韓国の計算方法を比較し、共通点を発見したり韓国語の用語を調べたりするなど、教科書以上の学びに発展しました 。
・意識の変革: 目的が「正解すること」から、自分の考えを誰かに「届ける・伝える」ことへと変化しました 。
・周囲への波及: 彼女の熱量はクラス全体に広がり、「私もやってみよう」という主体的な空気を生み出しました 。
彼女のなりたい姿について
彼女の学びの変化は、自身の将来の夢とも深く結びついています。
・将来の夢: 介護士 。
・在り方の重なり: 「相手に分かりやすく伝える」という算数での行為が、彼女の目指す「誰かのために動く介護士」としての理想の姿と重なりました 。
・夢へのステップ: 算数の授業が、単なる知識の習得ではなく、彼女の夢を実現するためのステップとなりました 。
プレゼンとフィードバックから得られたこと
具体から抽象。そして再具体化へ
小学校教師は多くの場合、様々な教科を受け持ち、毎年学年が変わるため、実践をしても次に同じ学年・同じ単元をするまでに長い時間がかかる。しかし、授業てらすで実践をまとめ、プレゼンテーションし全国の先生方からフィードバックしてもらうことを通して、具体的な実践が抽象的で本質的な指導観へと磨かれていくように感じた。その抽象的で本質的な指導観は特定の単元に留まらず、別の単元や教科でも応用可能なものであり、教師の指導力そのものを向上させてくれるように感じた。以前は「忙しいから授業を振り返る時間がない」と思っていたが、授業てらすで振り返ることで、逆により短時間かつ質の高い授業作りが少しずつだができるようになってきている。
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