作文の書き方 指導 小学生|苦手な子も書けるようになる型とテンプレート
「原稿用紙を前にして固まってしまう」「何を書けばいいか分からず時間切れになる」——作文指導でよくあるつまずきの多くは、才能ではなく「書く手順」を知らないことが原因です。ここでは、苦手な子でも書き始められる型と、そのまま配れるテンプレートをまとめました。
作文が苦手な子に共通する2つのつまずき
何を書けばいいか分からない
「自由に書いていいよ」という指示だけでは、書く内容を絞れず手が止まってしまいます。テーマを狭めて具体的な問いにすることが必要です。
事実だけで気持ちが抜けている
「遠足に行きました。楽しかったです。」で終わってしまうのは、出来事と気持ちをセットで書く練習が不足しているサインです。
「はじめ・なか・おわり」の三段構成をどう教えるか
小学生の作文指導は「はじめ・なか・おわり」の三段構成が基本です。それぞれの役割を子どもにもわかる言葉で伝えると、書く前の見通しが立ちやすくなります。
いつ、どこで、誰と、何をしたかを簡単に紹介する。
一番心に残った場面を、詳しく・気持ちとセットで書く。
全体を振り返って、感じたことや次にしたいことをまとめる。
【テンプレート】書く前に埋める作文メモシート
いきなり原稿用紙に書かせるのではなく、まず次の質問に一言ずつ答えさせるメモの時間を取ると、書き出しでつまずく子が大きく減ります。
- いつ、どこで、誰とのことを書きますか?
- その中で一番心に残っている場面はどこですか?
- その場面で、どんな音・におい・様子が印象に残っていますか?
- そのとき、どんな気持ちになりましたか?(嬉しい・悔しい・驚いたなど)
- 今、振り返ってみて思うことは何ですか?
この5つのメモが埋まれば、そのまま「はじめ・なか・おわり」の材料になります。書き始める前にこのシートを埋める時間を5分取るだけで、原稿用紙を前に固まってしまう子が大きく減ります。
「事実+気持ち」をセットで書かせる声かけ集
「楽しかった」「嬉しかった」で止まってしまう子には、上のような具体的な問いかけをはさむと、気持ちの中身を掘り下げやすくなります。
学年別 テーマ選びのコツ
低学年
「きょう(きのう)あったこと」など、時間の範囲を1日に絞ったテーマにすると書きやすくなります。
中学年
「がんばったこと」「発見したこと」など、出来事だけでなく変化や気づきを書けるテーマを選びます。
高学年
「自分の考えが変わったこと」など、抽象度の高いテーマにも挑戦させ、理由と根拠を書く練習につなげます。
添削で伸ばす、赤ペンの入れ方
添削は「直す」より「伸ばす」意識で行うと、子どものやる気を保ちながら力をつけられます。
書くのが極端に遅い子への時間配分の工夫
- メモシートの記入と清書の時間を分け、記入だけ宿題にするなど時間を分散する
- 原稿用紙のマス目を数えず、まず内容を優先して下書き用紙に書かせる
- 完成を急がせず、途中まででも「なか」の場面が書けていれば評価する
- タイピングやタブレットでの下書きを認め、清書だけ手書きにする方法も検討する
行事のあとに書かせる作文のお題例
運動会や遠足、社会科見学のあとの作文は、テーマが漠然としていると「楽しかった」で終わりがちです。次のように場面を限定したお題にすると、書ける内容がぐっと具体的になります。
- 「一番がんばった種目(場面)」を1つだけ選んで詳しく書く
- 「友達の姿で心に残ったこと」を1つ選んで書く
- 「うまくいかなかったこと」とその時の気持ちを書く
- 「来年(次)がんばりたいこと」を1つ具体的に書く
「全部書こう」とすると内容が薄まるため、あえて場面を1つに絞らせることが、行事作文を上達させる一番の近道です。
よくある質問
作文が数行で終わってしまう子にはどう声をかければいいですか?
「そのとき、どう思った?」と気持ちを尋ねる一言を挟むと、事実の羅列から一歩進んだ文章になりやすいです。
原稿用紙の使い方でつまずく子への指導のコツはありますか?
最初は原稿用紙にこだわらず、普通のノートやメモ用紙で内容を固めてから清書させると、書く内容と書式を同時に教える負担を減らせます。
テーマを与えても「書くことがない」と言う子にはどうすればいいですか?
テーマをさらに小さく区切り、「今日の給食で一番おいしかったもの」のように具体的な問いに変換すると書き出しやすくなります。
作文が得意な子と苦手な子の差が大きいクラスではどう指導すればいいですか?
得意な子にはテーマを一段抽象的にする、苦手な子にはメモシートで材料を先に用意させるなど、同じ時間内で難易度を調整する方法が有効です。
添削にかける時間がないときはどうすればいいですか?
全員分を細かく直すのではなく、良い一文を見つけてコメントすることに絞ると、短時間でも効果的なフィードバックができます。
行事の作文でみんな同じような内容になってしまいます。どうすればいいですか?
「一番がんばった場面」のように焦点をひとつに絞らせると、同じ行事でも子どもごとに書く内容が自然に分かれ、似た文章になりにくくなります。
日々の指導の工夫は、一人で抱え込まず、先生同士で共有するとぐっと楽になります。全国の先生とつながれるコミュニティがあります。

