ひきざん(くり下がり)指導案|1年算数の単元計画・13−9の本時・板書・ワークシート【東京書籍】

「くり下がりのあるひき算の指導案を書かなくちゃいけない」「ブロックで手順を教えても、指で数える子がなかなか減らない」「1年生でも、自分の考えを説明し合える授業にしたい」。1年生の算数を担当する先生から、よく聞く悩みです。

この記事では、東京書籍1年の単元「ひきざん」(くり下がりのあるひき算)の指導案を、子どもが主体的に話し合う授業を軸にまとめました。教材研究のポイント、単元計画、本時(13−9)の展開と板書例、そのまま使えるワークシート、先生たちの実践を紹介します。

算数ブロックを動かしながらひき算の考えを説明し合う1年生
この記事でわかること

  • くり下がりのあるひき算の教材研究のポイント(数えひき・減加法・減減法)
  • 単元の目標と評価規準
  • 単元計画(全10時間)
  • 本時(13−9)の指導案と板書例、ワークシート
  • 1年生が主体的に話し合うための5つの工夫と、先生たちの実践例

この記事は、全国の小学校教員が実践を学び合うオンラインコミュニティ「授業てらす」が、公開されている指導案や先生たちの実践をもとに編集しています(2026年10月時点)。

目次

ひきざん(くり下がり)の教材研究

この単元では、11〜18から1けたの数をひく、くり下がりのあるひき算を学びます。前の単元「たしざん」(くり上がり)で学んだ「10といくつ」の見方を使って、計算の仕方を子ども自身が考える単元です。

13−9 に出てくる3つの考え方

どの考えも、まずは認めることから始めます

数えひき 13から1つずつ、9回ひいて数える
ポイント:答えは出るけれど、時間がかかる。「もっと早くできないかな?」が問いになる
減加法
(ひいてたす)
13を10と3に分け、10から9をひいて1、1と3で4
ポイント:教科書が最初に扱う方法。「9をどこからひいた?」が話し合いどころ
減減法
(ひいてひく)
9を3と6に分け、13から3をひいて10、10から6をひいて4
ポイント:ひく数が小さいとき(12−3など)に考えやすい
読みの軸は「10のまとまりから、ひけないかな?」

この単元のいちばんの話し合いどころは、「3から9はひけない。じゃあ、9をどこからひく?」という場面です。子どもがブロックを動かしながら「10のところからひけばいい」と気づくと、計算の手順が自分の言葉になります。

つまずきの原因は、ひき算の手前にあることも多くあります。「10は1と9」「10は4と6」のような10の分解がすぐに出てこないと、10から9をひく段階で止まってしまいます。単元に入る前に、10の分解(10の補数)を毎日少しずつ練習しておくと安心です。

算数の教材研究の進め方は、算数の教材研究の仕方で7つのステップに整理しています。

2年生の算数は、7の段 指導案(九九をつくろう)へ続きます。

単元の目標と評価規準

学習指導要領(第1学年「A 数と計算」)の内容をもとに、目標と評価規準を次のように設定します。

観点 評価規準(例)
知識・技能 11〜18から1位数をひくくり下がりのある減法の計算の仕方を理解し、確実に計算することができる。
思考・判断・表現 数を「10といくつ」とみる見方をもとに、ブロックや図、式を使って計算の仕方を考え、説明している。
主体的に学習に
取り組む態度
既習のたし算やひき算をもとに、進んで計算の仕方を考え、よりよい方法を見つけようとしている。

※学習指導要領 算数 第1学年「A 数と計算」(2) をもとにした例です。

単元計画(全10時間)

公開されている指導案では、東京書籍の教科書に沿って全10〜13時間で計画している例が多く見られます。最初に減加法、次に減減法を扱い、後半は計算カードやゲームで習熟を図る流れです。時数は学校の年間指導計画と指導書で確認してください。

時 主な学習活動 子どもが話す工夫
1時
(本時)
13−9の計算の仕方を考え、減加法を知る 「9をどこからひいた?」をペアでブロックを動かして説明する
2時 14−8などで、減加法の手順を確かめる 手順を唱える子と、ブロックを動かす子を交代する
3・4時 減加法の練習。お話づくりで、式と場面をつなぐ 友達のお話を聞いて、式に表す
5時 12−3の計算の仕方を考え、減減法を知る 「昨日とちがうところは?」「ほかの取り方はある?」を話し合う
6時 減加法と減減法をくらべ、問題に合った方法を選ぶ 「この問題ならこっち。わけは〜」と理由を言う
7〜9時 計算カードやゲームで計算に慣れる 答えだけでなく、どうやって考えたかを伝え合う
10時 学習をふり返り、できるようになったことを確かめる 「はじめは〜だったけど、いまは〜」と伝える
単元に入る前に、「10は□と□」の練習を朝の時間などに少しずつ続けておくと、1時からの話し合いに全員が参加しやすくなります。

本時の指導案(13−9)

本時は単元の1時間目です。既習の「16−4」(くり下がりのないひき算)とくらべて「3から9はひけない」ことに気づかせ、ブロックを動かしながら計算の仕方を考えます。答えを出すことより、「9をどこからひいたか」を説明し合うことを大切にします。

  • 本時の目標:13を「10と3」に分けることに着目し、ブロックや図を使って13−9の計算の仕方を考え、説明する。
  • めあて(子どもの言葉で):13−9の はやい けいさんの しかたを かんがえよう。
  • 問題の例:どんぐりが 13こ あります。9こ つかうと、のこりは なんこですか。
段階 学習活動と主な発問 予想される子どもの反応 留意点・話す工夫
導入
(10分)
①問題を読み、式を立てる。
②16−4の計算の仕方を思い出す。
発問:16−4と、どこがちがう?
「13−9だ」「16−4は、6から4をひけばいい」「3から9はひけない!」 16−4をブロックで確かめ、「10といくつ」に分けたことを板書に残す。
展開1
(10分)
③ブロックや図で、自分で考える。
発問:1こずつひくより、はやい方法はないかな?
「1こずつとった」「10のところから9をとった」「3をとってから、あと6をとった」 1こずつ数える考えも認める。ブロックケースで10のまとまりが見えるようにする。
展開2
(15分)
④ペア → 全体で説明し合う。
発問:9は、どこからひいたの?
「10から9をひくと1。1と3で4」「10から一度にひけるから、はやい」 ブロックを動かす子と言葉で説明する子に分けて交代させる。「10からひく」よさを価値づける。
まとめ
(10分)
⑤計算の手順を子どもの言葉でまとめる。
⑥12−9をブロックと言葉で説明する。
⑦ふり返りを書く。
「13を10と3にわけて、10から9をひいて、1と3で4」 手順①〜④を掲示し、次の時間も使えるようにする。

板書の例

13−9の はやい けいさんの しかたを かんがえよう
もんだい
  • どんぐり 13こ
  • 9こ つかう
  • しき 13−9
3から 9は ひけない!
9は どこから ひいた?
1こずつ ひく
⇔
10から ひく
(ブロックの図)
けいさんの しかた
  • ①3から 9は ひけない
  • ②13を 10と 3に わける
  • ③10から 9を ひいて 1
  • ④1と 3で 4
こたえ 4こ

板書では、左に問題と「3から9はひけない」という気づき、真ん中に子どもの考え、右に計算の手順を書きます。手順は子どもの言葉で書き、①〜④の番号をつけておくと、次の時間から唱えながら計算できます。

ワークシート

本時で使えるワークシートです。ブロックの図に印をつけながら考え、計算の仕方を言葉で書けるようにしています。印刷してそのまま使えます(A4)。

1年ひきざん(くり下がり)13−9のワークシート。問題と式、ブロックの図、計算の仕方の穴うめ、12−9の練習、ふり返りの欄がある

ワークシートを開く(A4・印刷用)

5時(12−3)も話し合いのチャンス

減減法を扱う5時も、子どもが話し合いやすい時間です。12−3は、ばら(2)から先にひいても考えられるので、「10からひく」以外の方法が自然に出てきます。

  • 発問1:昨日の問題と、ちがうところは?(ひく数が小さい)
  • 発問2:昨日までは、どこからとっていた? ほかのとり方はある?
  • まとめの例:10のまとまりからひいても、ばらからひいても計算できる。

2つの方法をくらべると、「どちらも12を10と2に分けている」という共通点が見えてきます。どちらかを押しつけず、「この問題なら、どっちがやりやすい?」と子どもが選べるようにしましょう。

1年生が主体的に話し合う5つの工夫

1既習の式とくらべる16−4と13−9を並べて「どこがちがう?」と聞くと、「3から9はひけない」という問いを子どもが自分で見つけます。
21こずつ数える考えも認める数えひきも大切な考えです。「もっとはやい方法はない?」と問うことで、10のまとまりを使うよさに気づけます。
3動かす子と話す子に分けるペアで1人がブロックを動かし、もう1人が言葉で説明します。交代すると、操作と言葉がつながります。
4「どこからひいた?」で焦点をしぼる答えではなく、ひいた場所を問うと、10からひいた子と、ばらからひいた子のちがいがはっきりします。
5手順を子どもの言葉でまとめる「13を10と3にわけて…」と子どもの言葉を板書し、みんなで唱えると、次の時間に自分で使えます。
使える話型
「ぼくは、〜からひきました。わけは、〜だからです。」
「〇〇さんとにていて、〜」「〇〇さんとちがって、〜」

つまずきやすいポイントと手立て

つまずき 手立て
10から9をひく段階で止まる 10の分解(10は1と9など)を毎日1分ほど練習する。すぐに言えるようになってから、ひき算に戻る。
指で1つずつ数えてしまう 指を禁止せず、10のまとまりが見えるブロックやおはじきに置きかえる。
ブロック操作と式や言葉がつながらない 操作のたびに「いま、何をした?」と聞き、手順①〜④の言葉と対応させる。
自信がなく、説明できない 話型を示し、まずペアで説明してから全体に出す。友達の説明をくり返すだけでもよいと伝える。

先生たちの実践例3選

実践1|「9をどこからひいたのか」を意識させる(岩手県の小学校)

岩手県立総合教育センターで公開されている三浦逸子先生の指導案(全10時間)では、本時の13−9で、既習の16−4などをふり返ってから課題をつくっています。ペアでブロックを操作しながら説明し合い、全体では「9をどこからひいたのか」を意識させて、10から一度に9をひける考えのよさを価値づけています。適用問題では、1人が手順を唱え、もう1人が操作する活動を取り入れています。

まねするなら
ペアで「唱える役」と「ブロックを動かす役」を決めて、12−9を交代でやってみましょう。

実践2|「10からとるか、ばらからとるか」をくらべる(大阪府羽曳野市)

羽曳野市で公開されている指導案では、減減法を扱う5時に、12−3の問題で「昨日の問題とちがうところは?」「昨日までの計算の仕方だと、どこからとっていた?」と問いかけています。ペアと全体で考えをくらべ、共通点(10と2に分けている)と相違点(10からとるか、ばらからとるか)を整理しています。タブレットの付箋機能で考えを共有しているのも特徴です。

実践3|考えを説明し合い、2つの方法のちがいを整理する(広島市の小学校)

広島市教育センターで公開されている指導案(全13時間)では、12−3の問題で、10のまとまりからひく方法と、ばらからひく方法を子どもが自分で考えます。全体で説明し合い、板書で2つの方法のちがいを整理したあと、「ひく数が小さいときは、ばらからひくほうが考えやすい」という子どもの気づきを取り上げています。

黒板の前の先生と、手をあげて発表しようとする1年生の子どもたち

よくある質問

Q. 減加法と減減法、どちらを教えればいいですか?

A. 教科書は減加法(ひいてたす)から扱い、そのあとに減減法(ひいてひく)を扱います。減加法は手順が一定で定着させやすく、減減法はひく数が小さいときに考えやすい方法です。子どもから出た考えはどちらも認め、問題に合わせて選べるようにしましょう。

Q. くり下がりのあるひき算は何時間扱いが多いですか?

A. 公開されている指導案では、全10〜13時間で計画している例が多く見られます。学校の年間指導計画と、教科書会社の指導書で時数を確認してください。

Q. 指で数える子には、どう声をかければいいですか?

A. 指を使うことを禁止する必要はありません。10のまとまりが見えるブロックやおはじきに置きかえ、「もっとはやくできる方法はないかな?」と問いかけて、10からひくよさに気づけるようにしましょう。

Q. 単元に入る前に、何をしておくとよいですか?

A. 「10は1と9」「10は4と6」のような10の分解と、「13は10と3」のような数の見方を練習しておくと安心です。朝の時間などに、1日1〜2分続けるだけでも効果があります。

参考にした情報

授業てらすの授業の様子
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