リコーダー指導 コツ 小学校|苦手な子も音が出せるようになる練習ステップ

授業力アップ

リコーダー指導 コツ 小学校|苦手な子も音が出せるようになる練習ステップ

リコーダーは3年生から始まりますが、最初のつまずきでそのまま「苦手」が固定化してしまう子が少なくありません。ここでは、音が出ない・指が回らない原因の見極め方、明日の授業からすぐ使える練習ステップ、音楽会前の合奏指導のコツまで、担任・専科の先生がそのまま使える形でまとめました。

リコーダーが苦手な子の多くは「息」と「タンギング」でつまずいています。指の運指練習の前に、まず息の使い方を整えるだけで、驚くほど音が安定します。
目次

音が出ない・かすれる子に多い3つの原因

1

息が強すぎる・弱すぎる

大きな音を出そうとして息を吹き込みすぎると、音が裏返ったりかすれたりします。逆に遠慮して弱すぎても音が出ません。

2

指穴がふさがっていない

指の腹ではなく指先で押さえていたり、爪が伸びていたりすると、穴が完全にふさがらず音が漏れてしまいます。

3

タンギングができていない

「トゥー」と舌を使って息を区切る動きが身についておらず、音の始まりがぼやけてしまいます。

指導の順番を間違えると苦手が固定化する

多くの授業では「シ」の運指を教えたあと、すぐに曲の練習に入ってしまいがちです。しかし、息の使い方とタンギングが身についていない状態で曲を練習させても、音が安定せず「自分は下手だ」という思い込みが強まるだけです。運指よりも先に、正しい息の出し方を全員で確認する時間を必ず取りましょう。

「もっと強く吹いて」という指導は逆効果になりがちです。音が出ない原因の多くは息の強さではなく、息の向きと安定感にあります。

明日から使える「音出しウォーミングアップ」3ステップ

曲の練習の前に毎回行う基礎練習
ステップ1
リコーダーを口にくわえず、「ふーっ」と細く長く息を吐く練習をします。ろうそくの火をゆっくり消すイメージが伝わりやすいです。
ステップ2
「シ」の運指だけで、タンギングをつけずに一定の音を伸ばす練習をします。
ステップ3
「トゥー、トゥー、トゥー」とタンギングをつけて同じ音を短く区切る練習をします。
この3ステップを1〜2分行うだけで、その日の曲練習の音の安定度が大きく変わります。テンポよく毎時間続けることが上達の近道です。

声かけフレーズ集(個別指導ですぐ使える)

「強く吹くんじゃなくて、ろうそくの火をゆっくり消すみたいに、細く長く吹いてみて」
「指先じゃなくて、指のはらでぴたっとふさいでごらん」
「『トゥー』って舌を使って、音の頭をはっきりさせてみよう」
「今のいい音だったよ、その感覚を覚えておこう」
「間違えても大丈夫。止まらずに最後まで吹いてみよう」

個別に声をかける際は「できていないこと」を並べるのではなく、直したいポイントを1つに絞って伝えると、子どもも修正しやすくなります。

つまずきやすい運指への対処法

  • 「ファ」「ソ」など複数の指を同時に動かす音は、指だけをゆっくり動かす練習を単独で行う
  • 低い音(ド・レ)は息を弱めに、高い音は息をやや強めにすることを言葉で説明する
  • 楽譜を目で追えない子には、運指表に色シールを貼って視覚的にサポートする
  • 左手・右手の役割を混同する子には、テープなどで楽器に目印をつける
  • 全体テンポについていけない子は、まず指の動きだけを声に出しながら確認させる

音楽会・合奏に向けたクラス練習の進め方

パート練習から合わせ練習までの流れ
1週目
パートごとに分かれ、ゆっくりのテンポで運指とリズムだけを確認します。
2週目
パート内で通して吹けるようにし、苦手な小節を繰り返し練習します。
3週目
他パートと合わせ、音量バランスや入りのタイミングを調整します。
最初から全員で合わせようとせず、パート内で「一人で通して吹ける」状態を作ってから合わせると、練習全体のテンポが上がり、苦手な子も置いていかれにくくなります。

苦手意識が強い子への関わり方

一度「自分は下手だ」と思い込んでしまった子には、みんなの前で吹かせることが逆効果になる場合があります。休み時間に少しだけ聴いてあげる、できた部分だけを取り出して認めるなど、個別に自信を積み重ねる機会をつくりましょう。

「今日は最初の4小節だけ聴かせて。……うん、リズムばっちりだね」
クラス全体の前で「もう一度吹いて」と繰り返し指名することは、苦手な子にとって大きなプレッシャーになります。個別練習の時間で対応しましょう。

楽器の手入れとトラブル対応

つばの音対策

吹くたびにガラガラ音が鳴る場合は、内部に水滴がたまっています。演奏前に軽く息を通し、休み時間ごとに分解して水分を拭き取る習慣をつけましょう。

ジョイント部分の緩み

頭部管と胴部管の接続が緩いと音程が不安定になります。無理に押し込まず、少しひねりながら差し込むよう指導します。

保管時の注意

ケースにしまう前に必ず陰干しし、湿ったまま密閉すると変形やカビの原因になることを伝えておきましょう。

楽器のコンディションが悪いと、どんなに練習しても音が安定しません。上達が停滞している子には、まず楽器そのものに問題がないかを確認してあげることも大切です。

よくある質問

リコーダーの音が高くなりすぎる子にはどう教えればいいですか?

息を吹き込みすぎているサインです。「ろうそくの火を消すように細く長く」というイメージを繰り返し伝え、息の強さをコントロールする練習をしましょう。

指が回らない子にはどんな練習が効果的ですか?

曲全体ではなく、苦手な2〜3音の切り替えだけを取り出して、ゆっくりのテンポで繰り返し練習させると効果的です。

タンギングがうまくできない子にはどう説明すればいいですか?

「トゥー」と発音するときの舌の動きをまねさせ、リコーダーなしで「トゥートゥートゥー」と声に出す練習から始めると理解しやすくなります。

音楽会の合奏練習で苦手な子をどう配置すればいいですか?

得意な子の近くに配置し、耳で合わせられる環境をつくると安心して演奏できます。パートの中でも比較的簡単な旋律を任せるなどの配慮も有効です。

リコーダーが嫌いになってしまった子にはどう関わればいいですか?

無理に人前で吹かせず、個別にできたことを認める機会を増やしましょう。小さな成功体験の積み重ねが苦手意識をやわらげます。

日々の指導の工夫は、一人で抱え込まず、先生同士で共有するとぐっと楽になります。全国の先生とつながれるコミュニティがあります。

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