すがたをかえる大豆 指導案|子どもが主体的に話し合う単元計画と本時の展開【光村3年】

「すがたをかえる大豆の指導案を書かなくちゃいけない」「段落の内容は読めても、筆者の書き方の工夫まで気づかせるのが難しい」「3年生でも、根拠をもって話し合える授業にしたい」。秋から冬にかけて3年生の国語を担当する先生から、よく聞く悩みです。

この記事では、光村図書3年下の説明文「すがたをかえる大豆」の指導案を、子どもが主体的に話し合う授業を軸にまとめました。単元計画、本時(事例の順序)の展開と板書例、「食べ物のひみつを教えます」の作文へのつなげ方と、先生たちの実践を紹介します。

放課後の教室で、大豆やきなこ、とうふを机に並べて「すがたをかえる大豆」の教材研究をする先生
この記事でわかること

  • 「すがたをかえる大豆」の教材研究のポイント(はじめ・中・おわり、事例の順序)
  • 単元の目標と評価規準
  • 単元計画(全14時間)と、「食べ物のひみつを教えます」へのつなげ方
  • 本時(事例の順序)の指導案と板書例
  • 3年生が主体的に話し合うための5つの工夫と、先生たちの実践例

この記事は、全国の小学校教員が実践を学び合うオンラインコミュニティ「授業てらす」が、公開されている指導案や先生たちの実践をもとに編集しています(2026年10月時点)。教科書の本文は掲載していません。

目次

すがたをかえる大豆の教材研究

「すがたをかえる大豆」は、大豆がいろいろな食品にすがたをかえて食べられていることを、5つの事例をあげて説明する文章です。「はじめ」で話題を示し、「中」で事例を説明し、「おわり」で筆者の考えをまとめる、3年生にとってお手本になる組み立てです。

すがたをかえる大豆の組み立て

段落ごとの「話したくなるポイント」

はじめ 大豆は毎日の食事にいろいろなすがたで出てくる。かたくて食べにくいので、昔からおいしく食べるくふうがされてきた
ポイント:「問い」の文がない。この文章の「問い」をつくるなら?
中① いったり、にたりして、形のまま食べるくふう(豆まきの豆、に豆)
ポイント:いちばん大豆だと分かりやすい
中② こなにひいて食べるくふう(きなこ)
中③ 大切なえいようだけを取り出して、ちがう食品にするくふう(とうふ)
中④ 目に見えない小さな生物の力をかりるくふう(なっとう、みそ、しょうゆ)
ポイント:大豆だと気づきにくく、時間もかかる
中⑤ とり入れる時期や育て方をくふうする食べ方(えだ豆、もやし)
ポイント:最後だけ書き方がちがうのはなぜ?
おわり 大豆のよいところに気づき、食事に取り入れてきた昔の人々のちえへのおどろき
ポイント:筆者の考えはどこに書いてある?
読みの軸は「事例はなぜこの順番なのか」を考えること

この教材のいちばんの話し合いどころは、5つの事例が、大豆だと分かりやすいものから分かりにくいものへ、手間の少ないものから時間がかかるものへと並んでいることです。「いちばん分かりやすいのは」「次に」「また」「さらに」などのつなぎ言葉も、順序を考える手がかりになります。

説明文の教材研究の進め方は、説明文の教材研究の仕方で、1年生の説明文はじどう車くらべ 指導案、2年生の説明文は馬のおもちゃの作り方 指導案、3年生の物語は三年とうげ 指導案で紹介しています。4年生の説明文は風船でうちゅうへ 指導案へ続きます。

単元の目標と評価規準

学習指導要領(3・4年「C 読むこと」)の指導事項をもとに、単元名を「れいの書かれ方に気をつけて読み、それをいかして書こう」として、目標と評価規準を次のように設定します。

観点 評価規準(例)
知識・技能 考えとそれを支える理由や事例、全体と中心など、情報と情報との関係について理解している。
比較や分類の仕方を理解し使っている。
思考・判断・表現 「読むこと」において、段落相互の関係に着目しながら、考えとそれを支える理由や事例との関係などについて、叙述を基に捉えている。
主体的に学習に
取り組む態度
進んで事例の順序や書き方の工夫を見つけ、学習の見通しをもって、食べ物のひみつを説明する文章を書こうとしている。

※学習指導要領 国語 第3学年及び第4学年の「知識及び技能」(2)ア・イ、「思考力、判断力、表現力等」C読むこと ア をもとにした例です。

単元計画(全14時間)

公開されている指導案では、読む学習を6〜7時間、「食べ物のひみつを教えます」の書く学習とあわせて14〜15時間で計画している例が多く見られます。ここでは、読んで見つけた「説明の工夫」を、自分の作文に生かすことをゴールにした14時間の計画を紹介します。

次・時 主な学習活動 子どもが話す工夫
第1次
1時
大豆から作られる食品を予想し、範読を聞いて学習計画を立てる 「これも大豆!?」と驚きを出し合う
第2次
2時
段落に番号をつけ、「はじめ・中・おわり」に分ける 「ここから中だと思う。わけは〜」と根拠を言う
第2次
3時
「中」の各段落から、くふうと食品を表に整理する 中心の文をペアで確かめ合う
第2次
4時
「はじめ」に合う「問い」の文を考える 考えた問いが「中」の答えに合うか確かめる
第2次
5時
(本時)
事例の順序のひみつを考える 「入れかえてもいい?」と立場を決めて話す
第2次
6時
「おわり」の筆者の考えを読み、説明の工夫をまとめる 見つけた工夫に名前をつけて発表する
第3次
7〜13時
「食べ物のひみつを教えます」:材料を選んで本で調べ、組み立てを考えて書く 友達と事例の順番を相談する
第3次
14時
書いた文章を読み合い、単元をふり返る 「順番が分かりやすい」など工夫を伝える
3時でつくる「くふう/食品」の表は、7時からの作文の設計図になります。米、麦、とうもろこしなど、自分が選んだ材料でも同じ表を使うと、3年生でも組み立てを迷わずに考えられます。

本時の指導案(事例の順序)

本時は、「中」の5つの事例がなぜこの順番で並んでいるかを考える時間です。事例の順序を入れかえた文章を見せて、「この順番でもいい?」とあえて選ばせると、3年生でも本文を根拠にして話し合えます。

  • 本時の目標:「中」の事例の順序とつなぎ言葉に着目し、筆者がこの順番で説明した理由を考えて、友達と伝え合う。
  • めあて(子どもの言葉で):「中」のれいのじゅんじょのひみつを見つけよう。
段階 学習活動と主な発問 予想される子どもの反応 留意点・話す工夫
導入
(5分)
①前時の表をふり返り、5つのくふうを確かめる。 「いる・にる、こな、えいよう、小さな生物、育て方」 表を掲示し、段落ごとの中心の文を全員で読む。
展開1
(10分)
②きなこやなっとうを最初にした「入れかえ版」を読む。
発問:この順番でも、筆者の文章と同じくらい分かりやすい?
「なんか変な感じ」「最初に、いきなりなっとうは分かりにくい」 入れかえ版はカードにして黒板で動かせるようにする。
展開2
(20分)
③立場を決めて、トリオ → 全体で話し合う。
発問:入れかえてもいい? 入れかえないほうがいい?
「大豆の形が分かるものから順になっている」「時間がかかるものが後になっている」「『いちばん分かりやすいのは』と書いてある」 ネームプレートで立場を示させる。「大豆の形」「手間や時間」「つなぎ言葉」の観点を示す。
まとめ
(10分)
④順序のひみつをノートにまとめ、ふり返りを書く。 「分かりやすいものから順にすると、読む人がついてこられる」 作文で自分も使える工夫として、次時からの学習につなげる。

板書の例

「中」のれいの じゅんじょの ひみつを 見つけよう
筆者のじゅんばん
  • ① いる・にる(に豆)
  • ② こなにひく(きなこ)
  • ③ えいようを取り出す(とうふ)
  • ④ 小さな生物の力(なっとう)
  • ⑤ 育て方(えだ豆)
つなぎ言葉にも線を引く
入れかえてもいい?
いい
⇔
よくない
(ネームプレート)
じゅんじょのひみつ
  • 大豆と分かりやすい → 分かりにくい
  • かんたん → 時間がかかる
  • 「いちばん分かりやすいのは」「次に」
読む人が分かりやすい

板書では、左に筆者の順番、右に子どもが見つけた「ひみつ」を書き、真ん中に「入れかえてもいい?」を置きます。最後に「読む人にとって分かりやすい順番」とまとめると、作文で自分の事例を並べるときの手がかりになります。

3年生が主体的に話し合う5つの工夫

1「入れかえてもいい?」と選ばせる正しい順番をたずねるより、入れかえ版とくらべさせると、ちがいに気づいた子から自然に話し出します。
2実物や写真を用意するいり豆、きなこ、とうふ、なっとうを見くらべると、「大豆だと分かりにくい」という感覚を言葉にしやすくなります。
3話し合いの観点を示す「大豆の形」「手間や時間」「つなぎ言葉」のように観点を示すと、意見がかみ合いやすくなります。
4トリオで話す3人なら全員が話す順番が回ってきます。自分の考えをワークシートに書いてから話すと、苦手な子も参加できます。
5作文で使える言葉にする見つけた工夫を「分かりやすい順にならべる」などと名前をつけておくと、書く学習でそのまま生かせます。
使える話型
「わたしは、〜だと思います。わけは、〜段落に『〜』と書いてあるからです。」
「〇〇さんとにていて、〜」「〇〇さんとはちがって、〜」

先生たちの実践例3選

実践1|段落の共通点から書き方の工夫を見つける(岩手県・滝沢市立滝沢小学校)

岩手県立総合教育センターで公開されている大谷優奈先生の指導案(全6時間)では、「中」の各段落の中心となる文や接続語に注目して、段落の組み立ての共通点を見つけています。共通点はペアで交流し、そこから筆者の書き方の工夫と、その書き方の分かりやすさを話し合います。前の時間には、説明の内容に合う「問い」を自分たちで考えています。

まねするなら
第3段落の組み立てを全員で読んでから、第4〜7段落は一人で読み、「どの段落にも同じところがあるよ」とペアで伝え合う流れにしてみましょう。

実践2|事例を入れかえて「順序のひみつ」を考える(佐賀県の小学校)

佐賀県の小学校が公開している指導案(全15時間)では、5つの事例の順序を入れかえて見せ、「この順序でもいいのか」と問いかけています。子どもは「接続語」「おいしく食べるくふう」「形や色」「作り方」の観点で考えをワークシートに書き、トリオで意見をまとめてから全体で交流します。読んで見つけた工夫を、自分たちで作る食べ物のリーフレットに生かす単元です。

実践3|付箋で説明の順序を並べかえる(大阪府の指導案)

大阪府が公開している指導案(全15時間)では、「食べ物のひみつブック」を作る単元のなかで、調べた「くふう」と「食品」を付箋に書き、すがたが分かりやすい食品から順に並べています。個人で並べた順序を班で伝え合い、同じ食べ物を調べた班どうしでも交流しています。発表が苦手な子には、自分の班の考えを伝える役を任せるなど、全員が話せる工夫をしています。

「すがたをかえる大豆」の授業で、ワークシートを指さしながらトリオで話し合う3年生

よくある質問

Q. すがたをかえる大豆は何時間扱いが多いですか?

A. 公開されている指導案では、読む学習を6〜7時間、「食べ物のひみつを教えます」の書く学習とあわせて14〜15時間で計画している例が多く見られます。学校の年間指導計画と、教科書会社の指導書で時数を確認してください。

Q. 「問い」の文がない説明文は、どう読めばいいですか?

A. 「はじめ」を読んだあとに「この文章に問いをつけるとしたら?」と考えさせるのがおすすめです。自分たちでつくった問いが「中」の答えに合っているかを確かめると、段落どうしの関係に自然と目が向きます。

Q. 書く学習には、どうつなげればいいですか?

A. 読む学習で見つけた工夫(はじめ・中・おわり、分かりやすい順の事例、つなぎ言葉)を一覧にして教室に掲示し、作文の組み立てを考えるときに「どの工夫を使う?」と選ばせると、読んだことが書くことに生きます。

Q. ワークシートや指導案に本文を載せてもいいですか?

A. 授業で使うために必要な範囲であれば、著作権法で認められています。ただし、学校のホームページなど、外に公開する場合は扱いが変わるので注意しましょう。

参考にした情報

授業てらすは、全国の小学校教員が実践を学び合うオンラインコミュニティです

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