鉄棒 逆上がり コツ|苦手な子もできるようになる指導のステップと声かけ

授業力アップ

鉄棒 逆上がり コツ|苦手な子もできるようになる指導のステップと声かけ

体育の授業や休み時間に「逆上がりができない」と悩む子は多く、感覚的な言葉で教えてしまい、かえって苦手意識を強めてしまうこともあります。ここでは、つまずきの原因別の指導法、そのまま使える声かけ、練習の場づくりの工夫まで、明日の体育の時間からすぐに使える内容をまとめました。

逆上がりの指導は「蹴り上げ」「引きつけ」「重心移動」の3つの動きを分けて練習させることで、苦手な子でも段階的にできるようになります。感覚づくりを飛ばしていきなり通し練習をさせると、できない子はいつまでもできないまま自信をなくしてしまいます。
目次

逆上がりができない子に多い4つのつまずきパターン

1

足が高く上がらない

蹴り上げの力が弱く、助走の勢いを鉄棒に伝えられていません。足を振り上げる感覚そのものがつかめていないケースが多いです。

2

体が鉄棒から離れる

腕を伸ばしたまま回ろうとして、お腹が鉄棒から離れてしまいます。引きつける感覚がないまま回転しようとするため失敗します。

3

回転の途中で止まる

頭が下がらず目線が下や前を向いたままで、回転に必要な重心移動ができていません。

4

怖くて勢いよく蹴れない

落下や頭から落ちることへの恐怖心から、無意識に力をセーブしてしまい、回転に必要な勢いが出ません。

できるようになるための3ステップ指導法

感覚を分けて積み上げる練習の流れ
ステップ1 引きつける感覚
鉄棒にぶら下がり、お腹を鉄棒に引き寄せる「だんごむしポーズ」や、腕で体を支える「つばめ」の姿勢を数秒キープする練習をします。
ステップ2 蹴り上げる感覚
補助板や踏み切り台を使い、片足を強く踏み切って反対の足を高く蹴り上げる練習をします。友達に足を支えてもらう補助も効果的です。
ステップ3 動作をつなげる
補助ありで一連の動きを通してみて、成功体験を積んだうえで補助を少しずつ減らしていきます。
3つのステップは1回の授業で全部やろうとせず、1時間に1〜2ステップに絞って繰り返し取り組ませると定着しやすくなります。できる感覚を積み重ねることが、結果的に近道になります。

そのまま使える声かけフレーズ

「お腹を鉄棒にくっつけるつもりで、ぎゅっと引き寄せてみよう。
足はできるだけ高く、空を蹴るくらいの気持ちで振り上げてごらん。
顔は下を見ないで、自分のおへそを見るようにすると、体が自然と回っていくよ。
一回で完璧にできなくていい。今日は『ちょっと惜しかった』が見つかれば十分です。」

「できた・できない」だけで評価せず、「さっきより足が高く上がったね」のように、動きの変化に注目して声をかけると、苦手な子も練習を続けやすくなります。

練習で使える補助具・場づくりの工夫

  • 補助板(踏み切り板)を鉄棒の下に置き、蹴り上げの高さを補う
  • タオルを鉄棒と腰に回して支える「タオル逆上がり」で回転感覚をつかませる
  • 目印になるゴム紐や旗を高めの位置に張り、蹴り上げる目標にする
  • 鉄棒の下に安全マットを敷き、落下への恐怖心を減らす
  • 友達同士で背中や足を支え合うペア補助のやり方を事前に指導する
  • 休み時間に自由に練習できるよう、鉄棒カードや達成シールで意欲づけをする

学年別の指導のポイント

低学年

恐怖心を取り除くことを最優先にします。鉄棒にぶら下がる、揺れる、回るといった遊びの延長から慣れさせていきます。

中学年

感覚づくりの練習を重点的に行う時期です。補助板やタオルを使った段階練習を丁寧に積み重ねます。

高学年

自分の課題を自覚させることが効果的です。友達に動きを見てもらったり、タブレットで撮影して確認させたりする自己分析型の指導が向いています。

体育1コマでの練習タイムテーブル例

45分授業での時間配分の目安
準備運動(5分)
手首・肩まわりのストレッチと、鉄棒にぶら下がる感覚づくりから始めます。
感覚づくり(10分)
だんごむし・つばめのポーズなど、引きつける感覚をつかむ運動を全員で行います。
段階別練習(20分)
個々の課題に応じてグループを分け、補助板・タオル・通し練習など内容を変えて取り組みます。
まとめ(10分)
できるようになった動きを発表し合い、次回の課題を確認して終わります。
「できないことを責めない」「できる子とできない子を比較しない」ことが何より大切です。逆上がりは体格や筋力の発達差が大きく影響する技なので、同じ学年でも習得の時期には差が出て当然だと、子どもにも保護者にも伝えておくと安心感につながります。

できるようになった後のフォローも大切にする

一度逆上がりができても、少し時間が空くとまた感覚を忘れてしまう子は少なくありません。できるようになった後も、休み時間や体育の準備運動の中で軽く鉄棒に触れる時間を作っておくと、感覚を維持しやすくなります。また、「できるようになったコツ」を自分の言葉で友達に説明させると、動きの理解がより深まり、他の技への応用力にもつながります。クラス全体で「今日できるようになった人」を紹介し合う時間を短く設けるだけでも、挑戦する雰囲気づくりに役立ちます。

よくある質問

逆上がりはいつまでにできるようになればいいですか?

学習指導要領上の明確な期限はありません。学年内でできるようになることを目指しつつ、できない子には無理をさせず段階的な指導を続けることが大切です。

体が大きい子や腕力が弱い子はどうすればいいですか?

補助板や補助者の力を借りて成功体験を先に積ませると、感覚がつかみやすくなります。筋力そのものは休み時間の鉄棒遊びで少しずつ育っていきます。

家庭でも練習させたほうがいいですか?

公園の鉄棒や雲梯で遊ぶ程度で十分です。無理に家庭学習として課すと、苦手意識を強めてしまうことがあるため注意が必要です。

何度も失敗して自信をなくしている子にはどう声をかければいいですか?

「できた・できない」ではなく、動きの変化に注目して具体的にほめると、失敗続きでも練習を続けるモチベーションを保ちやすくなります。

補助板がない場合はどうすればいいですか?

踏み台や体育マットを重ねて高さを補ったり、友達に足を支えてもらったりすることで、同じような補助効果を作ることができます。

体育の指導の工夫は、一人で抱え込まず、先生同士で共有するとぐっと楽になります。全国の先生とつながれるコミュニティがあります。

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