【社会科・6年生】「社会と政治(東京書籍)」社会科の授業を通して友達と学ぶ大切さに気づく授業とは 神奈川県小学校教諭 小沢享平

友達と考え合う社会科授業で「学校にいたい」という願いを実現したAさんの物語

【動画で学ぶ】社会と政治 授業|友達と学ぶ大切さに気づく6年社会

まずは、神奈川県小学校教諭・小沢享平先生による実践動画をご覧ください。

この社会と政治 授業では、社会科の学びを通して、子どもが友達と考え合う価値に気づいていく姿が紹介されています。

社会と政治 授業で育てたい力

6年社会「社会と政治」は、子どもにとって少し遠く感じやすい単元です。

国会、内閣、裁判所、選挙、税金など、大切な用語が多く出てきます。

しかし、言葉を覚えるだけでは、社会科の学びは深まりません。

大切なのは、政治や社会の仕組みを自分の生活とつなげて考えることです。

さらに、友達と考え合う中で、自分の見方を広げることも大切です。

「学校で学ぶ意味」を見いだせなかったAさん

本実践の中心には、半日登校が続いていたAさんの変容があります。

Aさんは当初、学校で学ぶ意味を見いだせずにいました。

失敗することや、友達からどう見られるかを強く気にしていました。

発言する場面では、間違えないことが最優先になっていました。

自分の考えをもつことにも、不安を感じている様子がありました。

授業づくりで大切にしたこと

社会と政治 授業で大切にしたのは、正解が一つに決まらない問いです。

いわゆるオープンエンドの問いを設定することで、子どもは自分なりの考えをもつ必要が生まれます。

はじめは戸惑いがあっても、友達の多様な考えを聞くことで、考えが違ってもよいという空気が生まれます。

その安心感が、Aさんの学びを少しずつ支えていきました。

図解|友達と考え合う社会科授業の流れ

1 問いに出会う

正解が一つではない問いを提示する

2 自分で考える

資料をもとに自分の考えをもつ

3 友達と比べる

考えの違いやよさに気づく

4 考えを深める

自分の見方を更新する

シンキングツールで考えを見える化する

「室町文化と力をつける人々」の学習では、シンキングツールを使いました。

シンキングツールを使うことで、子どもは自分の考えを整理しやすくなります。

また、友達の考えと比べることもできます。

Aさんも、考えを可視化することで、自分の思いを言葉にしやすくなりました。

分からないことを友達に質問したり、友達の考えのよさを取り入れたりする姿が見られるようになりました。

授業で使えるシンキングツールの例

自分の考え

資料をもとに考えたことを書く。

友達の考え

友達の意見で納得したことを書く。

考えの変化

話し合い後に変わったことを書く。

Aさんの変容が表れた場面

Aさんの大きな変化が表れたのは、「不平等条約の改正」を扱った学習です。

授業では、条約改正に一番影響を与えたものは何かを考えました。

日清・日露戦争、大日本帝国憲法、国会の開設、自由民権運動などを比べながら考える学習です。

Aさんは、分からないままで終わりたくないという思いをもちました。

そして、授業中だけでなく、休み時間にも友達と資料を調べるようになりました。

学びに向かう姿が変わった

Aさんは、これまであまり深く考えずに勉強していたと振り返りました。

しかし、友達と考え合う学習を通して、自分なりに解釈して考えることの楽しさに気づきました。

意識は、「嫌われないように」から「友達への感謝」へと変わりました。

また、「間違えないように」から「考えることを楽しむ」へと変わりました。

その結果、Aさんは毎日最後まで登校できるようになりました。

教師が意識したい声かけ

社会と政治 授業では、教師がすぐに正解を示しすぎないことが大切です。

子どもの考えをつなぎ、比べ、価値づけることで、学びは深まります。

  • どうしてそう考えましたか。
  • 友達の考えと似ているところはどこですか。
  • 違う考えが出たのはなぜでしょうか。
  • その考えは、どの資料とつながっていますか。
  • 話し合いを通して、考えはどう変わりましたか。

社会科の学びが子どもの心を開く

この実践から見えるのは、社会科の授業が知識の獲得だけで終わらないということです。

社会科には、資料を読み取り、根拠をもって考え、友達と意見を比べるよさがあります。

その過程で、子どもは自分の考えをもつ価値に気づきます。

さらに、友達と学ぶことの意味も実感していきます。

授業改善の視点

一方で、実践を振り返ると、授業内容と子どもの変容をより丁寧につなげる必要も見えてきます。

オープンエンドの問いを設定するだけでは十分ではありません。

その問いを通して、子どもがどのような社会的な見方を働かせるのかを明確にすることが大切です。

また、なぜその子が不安を抱えていたのかを理解する視点も欠かせません。

まとめ|社会と政治 授業は、友達と学ぶ価値に気づく時間

社会と政治 授業では、政治の仕組みや用語を教えるだけでなく、子どもが自分の考えをもつ場をつくることが大切です。

友達と考えを比べることで、自分の見方は広がります。

分からないことを一緒に考える経験は、学ぶ楽しさにつながります。

Aさんの変容は、社会科の授業が子どもの学び方や学校への向き合い方を変える可能性を示しています。

授業てらすでは、子どもが主体的に考え、友達と共に学ぶ授業づくりを大切にしています。

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