【理科・4年生】「ものの温度と体せき(学校図書)】子供の可能性を開く理科授業 愛知県小学校教諭 成田嶺田

「ものの温度と体積(体せき)」(学校図書・4年理科)は、実験を中心に展開する人気単元です。しかし、教科書通りに進めるだけで、子どもの「ためしたい!」という熱を引き出せているでしょうか。そこで本記事では、愛知県の小学校教諭・成田嶺田先生が実践した、「ものの温度と体積(学校図書)」を題材にした子どもの可能性を開く理科授業のポイントを、図解とともに徹底解説します。さらに、教師の「あり方」を問い直すヒントも満載です。

成田 嶺田 先生(愛知県小学校教諭)

授業てらす チーム理科所属の「理科屋」。現在は愛知県の公立小学校で教鞭を執りながら、子どもの好奇心を解き放つ理科授業を目指す。とくに「面白がる」をテーマにした授業実践を積み上げている。

「ものの温度と体積(学校図書)」で気づいた“きれいなノート”の落とし穴

「ものの温度と体積(学校図書)」を語る前に、まず成田先生自身が大きく揺さぶられた経験から振り返ります。なぜなら、この経験こそが「子どもの可能性を開く理科授業」の原点だからです。

中学校教員時代、成田先生は「きれいなノート」を高く評価していました。つまり授業内容が整然と記録され、教えたことが美しく反映されたノートを「良いノート」として位置づけていたのです。そしてそれを他の子どもにも模範として示し、同じように頑張ることを求めていました。

⚠ よくある授業の落とし穴

しかしこれは、子どもたちの学びではなく、教師が期待する形に子どもが適応した結果だったのではないか――つまり、足りなかったのは方法ではなく、教師としての「あり方」だったのです。

足りなかったのは方法ではなく、教師としての「あり方」だった。 ― 成田嶺田 先生

そこで授業てらすでプロ講師の先生方や、他の先生の授業実践に触れることで、その本質に少しずつ近づいていけたと成田先生は語ります。このように、自分の「当たり前」を疑うことから、本当の授業づくりは始まるのです。

「同じことを身につける」は本当にゴールなのか

ところで、成田先生はかつて「全員が同じことを身につける」ことをゴールと捉えていた時期がありました。たとえば、学習が苦しい子が複数学級にいた年。つまり他の学級と平均点を比べ、「自分のクラスの平均点が低いのは指導力不足ではないか」と弱気な言葉が湧き続けたといいます。

以前の成田先生なら、「何とかして学力を上げなければ」「来年の先生が困らないように、ある程度文章が書けるようにしなければ」と考え、叩き込むような授業をしていたかもしれません。しかし、それは本当に子どものための教育でしょうか。

⚠ 自分でも気づかぬうちに陥る罠

つまりそれは、子どものためではなく、「教師である自分を守る教育」になってしまっていたのではないか。その結果、子どもの「らしさ」が削がれていく可能性すらあるのです。

📋
守りの教育

全員が同じことを身につける。
つまり「教師である自分」を守るための一律な授業。

🌱
開きの教育

子どもが自分らしく表現する。
つまり「その子の幸せ」を中心に据えた授業。

子どもたちのために本当にできること

そして授業てらすで教科チームや運営として関わる中で、様々な教育観に触れた成田先生は、こう自問するようになりました。「それって本当にその子に必要なの? その子の幸せのためにやれているの?すると、視点の変化が起き、子どものとらえ方そのものが変わっていきました。

💡 成田先生がたどり着いた答え
  • まず、文字を読むことが難しくても、書く力に自信がなくても、友達と話し意見を交わせていれば充分
  • そして、自分の発見や想いを伝えたいと思っていれば、それでいい。
  • つまり、全部できなくたっていい。足りないものは他で補える
子どもたちが本当に自分らしく自分を表現し、学校に楽しく通い、友と語らい、明日に希望をもっていること。教師である私と、その子どもたちとが、お互いに出会えてよかったと思えたらそれでいい。 ― 成田嶺田 先生

こうした考え方は、文部科学省が掲げる学習指導要領の「個別最適な学び」の理念とも深く重なります。

「ものの温度と体積(学校図書)」で実践した“面白がる”授業

では、その「あり方」を踏まえて、成田先生は「ものの温度と体積(学校図書)」の単元をどう実践したのでしょうか。そこでキーワードになるのが、たった一つの言葉――「面白がる」です。

理科という学びは、広げ方次第でいくらでも面白がれる。だからこそ、私は理科屋を名乗らせていただいています。 ― 成田嶺田 先生

「熱による体積の変化」で授業の構造を捨てた

4年生の理科授業「ものの温度と体積(学校図書)=熱による体積の変化」で、成田先生は思い切って構造化された授業展開を捨てました。つまり、子どもたちに投げかけたのはたった一つの問い。「試したいことを全部試してみよう」。

🔥 熱湯で温める子 「もっと熱くしたら?」 ❄️ 氷で冷やす子 「逆もやってみたい!」 🧪 フラスコを擦る子 「摩擦熱でも変わる?」 このように、子どもたちは思い思いの方法で「ものの温度と体積」を探究し始めた

すると、教室には試行錯誤と発見の興奮で満ちた空間が生まれました。そして成田先生が目指したのは、こんな時間だったといいます。

🌟 成田先生が目指す学びの姿

自分の発見を誰かに伝えたくてたまらない時間――それこそが、成田先生が「ものの温度と体積(学校図書)」の授業で目指した学びの姿でした。

学びは思い切り広げればいい

ところで、私たち教師はともすれば、子どもたちの思考の風呂敷を広げすぎることを怖がります。たとえば、こんな不安です。

⚠ 教師が抱きがちな不安
  • まず、こんなに広げて、どうまとめるのだろう?
  • 次に、こんなにたくさんのアイデア、確かめきれない。
  • そして、本気か、不真面目かもわからない。

しかし、成田先生はこう語ります。「そんなものは子どもたちと決めればいい」「あふれたアイデアは形にしてみればいい」「たくさん失敗すればいい」――つまり、教師が一人で抱え込む必要などないのです。

①広げる 試したいことを全部 ②形にする アイデアを実験に ③伝え合う 発見を共有 このように、広げて・形にして・伝え合うサイクルが「面白がる」教室をつくる
自分の思いついたアイデアを、大人になってもワクワクしながら試すような、キラキラした目の大人になってほしい。心からそう思います。 ― 成田嶺田 先生

仲間からの問いかけが教えてくれたこと

さて、このプレゼン発表後、成田先生は仲間たちから貴重なフィードバックを受け取りました。たとえば、以下のような問いかけです。

フィードバックした人 問いかけの内容
ケンタロウさん 中学校から小学校への文
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