6年生算数「歪な形の面積」は、公式を覚えた後にこそ大切にしたい授業です。
子どもたちは円の面積を学ぶと、「半径×半径×3.14」で答えを出そうとします。しかし、少し形が変わると「この形の公式は習っていない」と止まってしまうことがあります。
そこで本記事では、公式に当てはめるだけではなく、図形の中に見える形を捉え、分解・合成して考える授業づくりを紹介します。
歪な形の面積で育てたい力
歪な形の面積で育てたいのは、計算の速さだけではありません。
大切なのは、目の前の図形を見て「どんな形に分けられるか」「どの形を使えば求められるか」と考える力です。
この授業のポイント
子どもに解き方を先に教えるのではなく、子ども自身が図形の見方を発見できるようにします。
導入は「どんな形が見える?」から始める
授業のはじめに、教師が補助線を入れすぎると、子どもは教師の示した道筋をなぞるだけになりがちです。
そこで、まずは歪な形を提示し、次のように問いかけます。
発問例
「この図形の中に、どんな形が見えますか?」
この問いによって、子どもたちは図形をじっくり見始めます。
「正方形が見える」「三角形がありそう」「扇形に分けられるかもしれない」など、既習の図形と結び付けて考える姿が生まれます。
図形の見方を広げるイメージ
歪な形も、既習の図形に分けて見ることで、求積の見通しが生まれます。
子どもの見方を板書で見える化する
子どもたちが多様な見方を出した後は、板書で整理します。
ここで大切なのは、式だけを書かないことです。
「何に注目したのか」「どの図形を使ったのか」が分かるように残します。
見方1
大きな図形から、いらない部分を引く。
見方2
求めやすい形に分けて、後から合わせる。
見方3
扇形、三角形、正方形などの既習図形を使う。
このように整理すると、子どもは「答え」だけでなく「考え方」を比べられます。
友達の考えを聞きながら、自分とは違う見方に気付くことができます。
公式ではなく、図形の見方を育てる
円の面積の公式は大切です。
しかし、公式を覚えるだけでは、複合図形や歪な形に対応できません。
必要なのは、公式を使う前に図形をどう見るかです。
この流れを大切にすると、子どもは「習っていない形だからできない」と考えにくくなります。
代わりに、「習った形を使えばできそうだ」と考えるようになります。
授業で使える発問例
歪な形の面積では、教師の発問が子どもの思考を大きく左右します。
以下のような発問を使うと、子どもの見方を引き出しやすくなります。
授業で使える発問
「この形の中に、知っている形はありますか?」
「すぐに面積を求められそうな部分はどこですか?」
「反対に、今のままでは求めにくい部分はどこですか?」
「友達の考え方と、自分の考え方はどこが違いますか?」
発問の目的は、正解へ急がせることではありません。
子どもが図形を見直し、自分の言葉で考えを説明できるようにすることです。
子どもの考えを価値付ける言葉
授業中は、子どもの答えだけでなく、着眼点を価値付けます。
たとえば、次のような言葉が有効です。
「正方形に注目したんだね。」
「扇形として見たところがいいね。」
「求めにくい形を、求めやすい形に変えようとしているね。」
このように声をかけることで、子どもは自分の見方に自信を持てます。
また、友達の考え方も学びの材料になります。
まとめ:歪な形の面積は、図形の見方を育てるチャンス
6年生算数「歪な形の面積」は、公式を使う力だけでなく、図形を柔軟に見る力を育てる大切な単元です。
教師が先に解き方を示すのではなく、子どもが「どんな形が見えるか」を考える時間をつくります。
その積み重ねが、分解・合成・補助線・既習事項の活用につながります。
歪な形の面積を通して、子どもたちは公式を使う学習者から、図形を自分で攻略する学習者へと変わっていきます。
授業てらすでは、明日の授業に生かせる実践を紹介しています。
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