【算数・3年生】「円と球(光村図書出版)」脱教師主導の算数へ 大阪府小学校教諭 中西雅人

円の授業導入|玉入れゲームで子どもが円を必要とする算数実践

3年生算数「円と球」の学習では、円の性質をただ説明するだけでは、子どもが受け身になりやすくなります。

そこで大切になるのが、子どもが「円を使いたい」と思える場面をつくることです。今回紹介する円の授業導入では、玉入れゲームを教材にします。

ポイントは、教科書の数値をそのまま使うのではなく、最初は人数を4人に減らして提示することです。その後、8人に増やすことで、子どもの考えにズレが生まれます。

この記事で分かること

  • 玉入れゲームを使った円の授業導入の流れ
  • 4人から8人へ人数を変える意図
  • 子どもが「円」を必要とする場面のつくり方
  • 主体的に学ぶ算数授業の発問と見取り
目次

円の授業導入は「玉入れゲーム」から始める

この実践では、円の導入として玉入れゲームの場面を扱います。

教師は、かごに向かって玉を投げる子どもたちの位置を考えさせます。ここで大切なのは、いきなり「円」という言葉を出さないことです。

まずは、子どもに「どうすれば公平に玉入れができるか」を考えさせます。

最初は4人で提示する

教科書の場面をそのまま扱うと、情報量が多くなりすぎることがあります。

そこで、この円の授業導入では、最初に人数を4人に減らします。4人であれば、子どもは上下左右に立つイメージをもちやすくなります。

子どもたちは、「かごから同じ長さのところに立てば公平だ」と考え始めます。

4人で提示するよさ

  • 場面がシンプルになる
  • 子どもが考えをもちやすい
  • 「同じ距離」という見方が出やすい
  • 公平さを考える土台ができる

次に8人に増やしてズレを生む

4人で考えた後、教師は人数を8人に増やします。

ここで、子どもの考えにズレが生まれます。4人なら上下左右に置けました。しかし、8人になると、それだけでは足りません。

子どもたちは、「斜めの人はどこに立てばいいのか」「本当に全員が同じ距離になるのか」と考え始めます。

ズレがあるから、子どもが主体的に動き出す

この実践のよさは、教師が「円とは何か」を先に説明しないところです。

4人のときには納得できた考えが、8人になるとそのままでは使えません。だからこそ、子どもたちは自分たちで考えを広げます。

「同じ距離の場所は、上下左右だけではないのではないか。」

「かごから同じ長さのところを全部集めたら、どんな形になるのか。」

このような問いが、円の学習につながります。

円の必要感が生まれる瞬間

8人全員が公平に玉入れをするには、全員がかごから同じ距離に立つ必要があります。

その場所を線でつなぐと、かごを中心にした丸い形が見えてきます。

つまり、子どもは玉入れゲームを通して、円を「覚えるもの」ではなく、「必要だから使うもの」として出会います。

子どもの思考の流れ

  1. 玉入れを公平にしたい
  2. かごから同じ距離ならよさそうだと考える
  3. 4人なら置き場所を考えやすい
  4. 8人になると置き場所に迷う
  5. 同じ距離の場所がたくさんあることに気付く
  6. 円の考えが必要になる

授業で使える発問例

円の授業導入では、発問がとても重要です。子どもに円を教え込むのではなく、円を必要とする問いを投げかけます。

  • どうすれば、みんなが公平に玉入れできますか。
  • 4人なら、どこに立てばよさそうですか。
  • 8人に増えたら、残りの人はどこに立てばよいですか。
  • 全員がかごから同じ距離にいると言えますか。
  • 同じ距離の場所を全部集めると、どんな形になりそうですか。

授業者が見取りたい子どもの姿

この円の授業導入では、子どもの答えだけを見るのではありません。

どの子が「距離」に注目しているのか。どの子が「公平さ」に注目しているのか。どの子が「同じ長さの場所は他にもある」と考え始めているのか。

教師は、その気付きを見取りながら、円の性質へつなげていきます。

この実践が深い学びにつながる理由

この実践では、数値を変えることが授業の核になります。

ただし、変えているのは単なる数字ではありません。4人から8人へ人数を変えることで、子どもの見方が変わります。

その結果、子どもは「同じ距離」「中心」「丸い形」という円の大切な見方に、自分たちの必要感から近づいていきます。

円の授業導入で大切なのは、円を先に説明することではありません。子どもが「円で考えたい」と思う場面をつくることです。

まとめ|円の授業導入は4人から8人へのズレが鍵

今回の円の授業導入では、玉入れゲームを使います。

最初に4人で考えることで、子どもは「かごから同じ距離なら公平」という考えをもちます。

その後、8人に増やすことで、子どもの中にズレが生まれます。このズレがあるからこそ、子どもは主体的に考え始めます。

そして、全員が同じ距離に立つ場所を考える中で、円の必要感が生まれます。

円を教えるのではなく、円が必要になる場面をつくる。これが、子どもが学びに向かう算数授業の導入です。

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