【算数・4年生】「直方体と立方体(光村図書出版)」脱教師主導の実際の授業が見れる! 宮崎県小学校教諭 松浦悟史

子ども主体の授業づくりとは?小4算数「長方形と正方形」で学ぶ授業改善

子ども主体の授業づくりに悩んでいませんか?
本記事では、小4算数「長方形と正方形」の授業実践をもとに、教師主導から子ども主体へ転換する授業改善のポイントを解説します。さらに、明日の授業で使える発問例や板書例も紹介します。

この記事で学べること
  • 子ども主体の授業づくりの考え方
  • 小4算数「長方形と正方形」で深い学びを生むポイント
  • 教師主導になりすぎない授業展開
  • 子どもの発言をつなぐ発問例
  • 明日から使える授業改善チェックリスト
目次

子ども主体の授業づくりが求められる理由

教師が説明しすぎると何が起こるか

子ども主体の授業づくりとは、子どもが自分で考え、友達と対話し、自分の言葉で学びを深めていく授業をつくることです。

しかし、実際の授業では教師が説明しすぎてしまうことがあります。その結果、子どもは「考える人」ではなく「聞く人」になってしまいます。

つまり、教師がよかれと思って説明するほど、子どもの思考の時間が少なくなることがあります。そのため、授業の中に「子どもが考える余白」をつくることが大切です。

教師が一歩引く意味を考える

次に大切なのは、教師が何もしないことではありません。むしろ、教師が子どもの思考が動く場面を意図的につくることです。

そのためには、教師が一歩引く場面が必要です。すると、子どもが自分の考えをもって前に出やすくなります。

このように、子ども主体の授業づくりでは、教師の出番を減らすのではありません。教師の関わり方を変えることが重要です。

教師主導 先生が説明する 子どもが聞く 正解を確認する 子ども主体 子どもが考える 友達と比べる 自分の言葉でまとめる
このように、教師が一歩引くことで、子どもが一歩前に出る授業へ近づきます。

小4算数「長方形と正方形」で大切にしたい見方

定義を覚えるだけで終わらせない

まず、「長方形と正方形」の学習では、図形の定義を覚えることも大切です。しかし、覚えるだけでは深い学びにはなりません。

たとえば、子どもが図形をよく見ることが大切です。また、辺の長さや角の大きさに注目することも必要です。

このように見ることで、子どもは図形の特徴を自分の言葉で説明できるようになります。つまり、知識を覚えるだけでなく、根拠をもって考える力が育ちます。

授業の中心になる問い
「この形は、なぜ長方形と言えるのだろう?」
「正方形と長方形は、何が同じで何が違うのだろう?」

問いがあるから考えたくなる

次に大切なのは、子どもが考えたくなる問いを用意することです。この問いがあることで、子どもは答えを聞く側から、理由を考える側へ変わります。

さらに、友達の考えと比べることで、自分の見方を広げることができます。一方で、問いがない授業では、子どもは正解を待つだけになりやすいです。

だからこそ、授業の中心に「考えたくなる問い」を置くことが重要です。

授業の流れ|子どもが考えたくなる展開

ここでは、子ども主体の授業づくりにつながる授業展開を整理します。まず、全体の流れを見てみましょう。

1. 図形を提示する

まず、複数の四角形を見せます。すると、子どもは「似ている形」や「違う形」を見つけ始めます。

2. 仲間分けする

次に、辺の長さや角の大きさに注目します。そして、図形を仲間分けします。

3. 理由を説明する

さらに、「なぜそう分けたのか」を言葉にします。そのため、数学的な見方が育ちます。

4. まとめる

最後に、長方形と正方形の特徴を自分の言葉でまとめます。つまり、学びを自分のものにします。

この流れでは、教師が先に説明しすぎないことが大切です。まず子どもが見て、考えて、話す場面をつくります。

そのうえで、教師は子どもの考えを整理します。さらに、必要な言葉や見方を補います。

板書例|子どもの考えが見える黒板にする

板書は、教師の説明を残すだけのものではありません。むしろ、子どもの思考の流れを残す場でもあります。

そのため、板書には「問い」「子どもの考え」「まとめ」の流れが見えるようにします。すると、子どもは自分たちの考えが学びにつながっていることを実感できます。

板書構成例 問い なぜ長方形? 子どもの考え 辺・角に注目 理由を説明 まとめ 特徴を整理 自分の言葉で
このように、板書は子どもの考えを整理し、学びを見える化するために使います。

教師の役割は「教える人」から「学びを編む人」へ

教師の役割はなくならない

子ども主体の授業づくりでは、教師の役割がなくなるわけではありません。むしろ、教師の見取りがより大切になります。

教師は、子どもの発言を聞きます。そして、考えの共通点や違いを整理します。

さらに、子ども同士の学びをつなぎます。この働きかけがあるからこそ、対話は深まります。

次に、教師主導と子ども主体の違いを見る

次の表で、教師主導になりやすい対応と、子ども主体に近づく対応を整理します。

場面 教師主導になりやすい対応 子ども主体に近づく対応
導入 教師がすぐに説明する 一方で、図形を見せて、子どもの気付きを引き出す
個人思考 解き方を先に教える そこで、どこを見たのかを問い返す
共有 正解だけを確認する さらに、考えの共通点や違いを比べる
まとめ 教師の言葉を写させる 最後に、子ども自身の言葉で整理させる

この違いを意識するだけでも、授業の見え方は変わります。特に大切なのは、子どもの考えをすぐに評価しすぎないことです。

たとえば、すぐに「正解です」と言うのではなく、「どこを見てそう思ったの?」と問い返します。すると、子どもは根拠をもって説明しようとします。

授業で使える発問例

発問は、子どもの思考を動かすための大切な手立てです。ここでは、授業ですぐに使える言葉を整理します。

  • どこを見て、そう思ったの?
  • 友達の考えと似ているところはある?
  • 違う分け方をした人はいる?
  • 長方形と正方形の同じところは何かな?
  • たとえば、正方形は長方形の仲間と言えるかな?
  • 最後に、今日の学習を一言でまとめると?

発問の目的は、正解を言わせることではありません。むしろ、子どもが根拠をもって説明できるようにすることです。

そのため、教師は「正しいかどうか」だけを見ません。子どもが何に着目しているのかを見取ります。

このように発問を工夫すると、子どもの考えが表に出てきます。そして、授業全体の対話が深まります。

授業改善チェックリスト

最後に、子ども主体の授業づくりを進めるための視点を確認します。授業後の振り返りにも使えます。

  • 授業の最初に、子どもが考えたくなる問いがある
  • 教師が説明する前に、子どもが考える時間がある
  • 子どもの発言を正解・不正解だけで扱っていない
  • 一方で、友達の考えと比べる場面がある
  • また、板書に子どもの考えが残っている
  • 最後に、子ども自身の言葉でまとめている

すべてを一度に変える必要はありません。まずは、一つだけ意識してみましょう。

たとえば、「教師が説明する前に、子どもが考える時間をつくる」だけでも授業は変わります。

まとめ|子ども主体の授業づくりは明日から始められる

子ども主体の授業づくりは、特別な授業だけで行うものではありません。むしろ、日々の授業の小さな工夫から始められます。

まずは、教師が説明していた時間を少しだけ減らします。そして、その時間を子どもが考える時間に変えます。

さらに、子どもの発言をつなぎます。最後に、自分の言葉でまとめる場面をつくります。

この積み重ねが、教師主導から子ども主体への授業改善につながります。

明日からの一歩
まずは、「どこを見てそう思ったの?」と問い返す。
この一言から、子ども主体の授業づくりは始まります。

よくある質問

Q. 子ども主体の授業づくりにすると、授業がまとまらなくなりませんか?

A. いいえ。むしろ、問いが明確であれば授業は整理されます。そのため、見る視点をはっきりさせることが大切です。

Q. 算数が苦手な子も参加できますか?

A. はい、参加できます。たとえば、答えだけでなく、どこを見たかを共有します。すると、苦手な子も学びに入りやすくなります。

Q. 全員が発言しないと子ども主体とは言えませんか?

A. いいえ。発言だけが参加ではありません。考える、書く、友達の考えと比べることも大切な参加です。

Q. 明日から取り入れやすい工夫は何ですか?

A. まずは、「どこを見てそう思ったの?」という問い返しです。この一言で、子どもが根拠をもって話すきっかけになります。

授業をもっと子ども主体に

授業てらすでは、授業実践を見て、語り合いながら、明日の授業改善につなげる学びができます。

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