「馬のおもちゃの作り方の指導案を書かなくちゃいけない」「順序を表す言葉に線を引かせても、それで終わってしまう」「2年生でも、自分の考えを話し合える授業にしたい」。2年生の国語を担当する先生から、よく聞く悩みです。
この記事では、光村図書2年下の説明文「馬のおもちゃの作り方」の指導案を、子どもが主体的に話し合う授業を軸にまとめました。単元計画、本時(順序を表す言葉)の展開と板書例、「おもちゃの作り方をせつめいしよう」の書く学習へのつなげ方と、先生たちの実践を紹介します。

- 「馬のおもちゃの作り方」の教材研究のポイント(4つのまとまり、説明の工夫)
- 単元の目標と評価規準
- 単元計画(全14時間)と、「おもちゃの作り方をせつめいしよう」へのつなげ方
- 本時(順序を表す言葉)の指導案と板書例
- 2年生が主体的に話し合うための5つの工夫と、先生たちの実践例
この記事は、全国の小学校教員が実践を学び合うオンラインコミュニティ「授業てらす」が、公開されている指導案や先生たちの実践をもとに編集しています(2026年10月時点)。教科書の本文は掲載していません。
馬のおもちゃの作り方の教材研究
「馬のおもちゃの作り方」は、身近な材料で馬のおもちゃを作る手順を、読む人が実際に作れるように説明した文章です。全体が4つのまとまりに分かれていて、2年生が「説明書の書き方」を学ぶお手本になります。
馬のおもちゃの作り方の組み立て
まとまりごとの「話したくなるポイント」
| 前書き | どんなおもちゃを作るのかを、はじめに知らせる ポイント:最初に「何を作るか」があると、どうして分かりやすい? |
|---|---|
| ざいりょうとどうぐ | 作るのに使うものを、まとめて書いている ポイント:作り始める前に分かると、何がいい? |
| 作り方 | 「まず」「つぎに」「それから」「さいごに」などの言葉で、作る順番を書いている ポイント:この言葉がなかったら、作れる? |
| 作り方の中の工夫 | 長さなどを数字で書いている。文に合う写真がついている ポイント:いちばん大切な写真はどれ? |
| 楽しみ方 | できたおもちゃの遊び方を紹介している ポイント:なくても作れるのに、なぜ書いてある? |
この教材のいちばんの話し合いどころは、「まず」「つぎに」などの順序を表す言葉、数字、写真が、読む人が迷わずに作れるように使われていることです。子どもが実際に作りながら読むと、工夫のよさを体で実感できます。
説明文の教材研究の進め方は、説明文の教材研究の仕方で、1年生の説明文はじどう車くらべ 指導案、3年生の説明文はすがたをかえる大豆 指導案で紹介しています。
単元の目標と評価規準
学習指導要領(1・2年「C 読むこと」)の指導事項をもとに、単元名を「せつめいのしかたに気をつけて読み、それをいかして書こう」として、目標と評価規準を次のように設定します。
| 観点 | 評価規準(例) |
|---|---|
| 知識・技能 | 事柄の順序など、情報と情報との関係について理解している。 |
| 思考・判断・表現 | 「読むこと」において、時間的な順序や事柄の順序などを考えながら、内容の大体を捉えている。 「書くこと」において、自分の思いや考えが明確になるように、事柄の順序に沿って簡単な構成を考えている。 |
| 主体的に学習に 取り組む態度 |
進んで説明の工夫を見つけ、学習の見通しをもって、おもちゃの作り方を説明する文章を書こうとしている。 |
※学習指導要領 国語 第1学年及び第2学年の「知識及び技能」(2)ア、「思考力、判断力、表現力等」B書くこと イ、C読むこと ア をもとにした例です。
単元計画(全14時間)
公開されている指導案では、読む学習を4〜7時間、「おもちゃの作り方をせつめいしよう」の書く学習とあわせて14〜16時間で計画している例が多く見られます。生活科のおもちゃづくりと関連させ、「1年生におもちゃの作り方を教えよう」をゴールにする学校も多くあります。
| 次・時 | 主な学習活動 | 子どもが話す工夫 |
|---|---|---|
| 第1次 1・2時 |
単元のゴール(1年生に作り方を教える)を知り、説明したいおもちゃを探す | 「作ったことあるよ」と経験を話す |
| 第2次 3時 |
全文を読み、4つのまとまりに分ける | 「ここからが作り方だと思う。わけは〜」と根拠を言う |
| 第2次 4時 |
〈作り方〉を読みながら、実際に馬のおもちゃを作る | ペアで「次はどこ?」と文を確かめ合う |
| 第2次 5時 (本時) |
順序を表す言葉のよさを考える | 「なくても作れる?」と立場を決めて話す |
| 第2次 6時 |
数字や写真の工夫を見つけ、「説明のわざ」としてまとめる | 「いちばん大切な写真はどれ?」を話し合う |
| 第3次 7・8時 |
説明するおもちゃを決め、材料と道具、作る順番を考える | 手順カードを並べて友達と確かめる |
| 第3次 9〜12時 |
「わざ」を使って説明書を書き、作りながら見直す | 友達の説明書で作ってみて、迷ったところを伝える |
| 第3次 13・14時 |
説明書を読み合い、単元をふり返る | 「この言葉で分かりやすくなった」と伝える |
本時の指導案(順序を表す言葉)
本時は、〈作り方〉の「まず」「つぎに」などの言葉のよさを考える時間です。順序を表す言葉をぬいた文章を見せて、「これでも作れる?」とあえて選ばせると、2年生でも前の時間に作った経験をもとに話し合えます。
- 本時の目標:〈作り方〉の順序を表す言葉に着目し、そのよさを考えて、友達と伝え合う。
- めあて(子どもの言葉で):「まず」「つぎに」のひみつを見つけよう。
| 段階 | 学習活動と主な発問 | 予想される子どもの反応 | 留意点・話す工夫 |
|---|---|---|---|
| 導入 (5分) |
①前の時間に作ったおもちゃを見ながら、4つのまとまりを確かめる。 | 「作り方のところを読んで作ったよ」 | 作ったおもちゃを机に出しておく。 |
| 展開1 (10分) |
②順序を表す言葉をぬいた〈作り方〉を読む。 発問:さっきの文と、どこがちがう? |
「『まず』がない」「つぎに、がなくなってる」 | 教科書の文と並べて掲示し、ちがいに線を引かせる。 |
| 展開2 (20分) |
③立場を決めて、ペア → 全体で話し合う。 発問:この言葉がなくても、おもちゃは作れる? |
「書いてある順にやれば作れる」「どこまでやったか分からなくなる」「『さいごに』があると、もうすぐできるって分かる」 | ネームプレートで立場を示させる。「作れる」の意見も認め、「1年生だったら?」と読み手の立場で問い返す。 |
| まとめ (10分) |
④順序を表す言葉のよさを「説明のわざ」カードに書く。 | 「『まず』『つぎに』があると、読む人がまよわない」 | カードは教室に掲示し、書く学習で使えるようにする。 |
板書の例
- まず、〜
- つぎに、〜
- それから、〜
- さいごに、〜
- どこまで やったか 分かる
- つぎに する ことが 分かる
- もうすぐ できると 分かる
板書では、左に教科書の文、右に子どもが見つけた「わざ」を書き、真ん中に「なくても作れる?」を置きます。最後に「読む人がまよわないための言葉」とまとめると、書く学習で自分から使おうとする子が増えます。
2年生が主体的に話し合う5つの工夫
「ぼくは、〜だと思います。わけは、〜だからです。」
「〇〇さんとにていて、〜」「〇〇さんとちがって、〜」
先生たちの実践例3選
実践1|工夫のない文章とくらべて、よさを実感する(岩手県・滝沢市立滝沢小学校)
岩手県立総合教育センターで公開されている千葉真由美先生の指導案(全6時間)では、文章全体を4つのまとまりで捉えたあと、〈作り方〉を読みながら実際に馬のおもちゃを作っています。本時では、順序を表す言葉、「何を作るか」の文、写真、数字がない文章を電子黒板に映して教科書の文とくらべ、工夫のよさを考えます。考えはグループで話してから全体で交流しています。
教科書の文と「工夫をぬいた文」を左右に並べて映し、「どっちで作りたい?」と聞いてみましょう。
実践2|「いちばん大切な写真はどれ?」を話し合う(広島県の小学校)
広島県が公開している指導案(全16時間)では、〈作り方〉の工夫を「わざ」として見つけていきます。順序を表す言葉が入った文を並べ替える活動のあと、「なぜ最初の文に何をするのかが書いてあるのか」「いちばん大切な写真はどれか」を、理由をつけて話し合います。生活科のおもちゃづくりと関連させ、1年生向けの「おもちゃランド」で紹介する単元です。
実践3|同じおもちゃのグループで説明を見合う(神奈川県・川崎市立大島小学校)
川崎市の研究会で公開されている浜崎俊治先生の指導案(全14時間)では、書く学習の中で、同じおもちゃを選んだ子どもどうしがJamboardで作り方の文を見合っています。「文は短く」「1年生が読んで作れる」などの観点で分かりやすいところを話し合い、自分の文章に生かしています。

よくある質問
Q. 馬のおもちゃの作り方は何時間扱いが多いですか?
A. 公開されている指導案では、読む学習を4〜7時間、「おもちゃの作り方をせつめいしよう」の書く学習とあわせて14〜16時間で計画している例が多く見られます。学校の年間指導計画と、教科書会社の指導書で時数を確認してください。
Q. 授業の中で、本当におもちゃを作ったほうがいいですか?
A. 作ることをおすすめします。読んだとおりに作ってみると、どの言葉や写真が役に立ったかを体験をもとに話せるからです。材料は早めに家庭に協力をお願いしておくと準備がスムーズです。
Q. 生活科とはどうつなげればいいですか?
A. 生活科のおもちゃづくりで作ったおもちゃを、国語で説明書にする流れがよく見られます。「1年生に作り方を教える」「おもちゃランドで紹介する」など、読む相手がはっきりすると、子どもの書く意欲が高まります。
Q. ワークシートや指導案に本文を載せてもいいですか?
A. 授業で使うために必要な範囲であれば、著作権法で認められています。ただし、学校のホームページなど、外に公開する場合は扱いが変わるので注意しましょう。

