わり算の導入|3年算数で子どもが考え始める授業の作り方
わり算の導入で悩む3年算数担当の先生は多いのではないでしょうか。
特に、最初の授業で「どう分ける?」「1人分はいくつ?」と子どもが考え始める場面をつくれるかどうかは、その後の学びを大きく左右します。
この記事では、授業てらすの実践動画(鳥取県小学校教諭・黒田陸先生)をもとに、わり算の導入を子ども主体の授業に変えるポイントを解説します。 具体的には、発問、板書例、授業の流れ、教師の見取り方を紹介します。
わり算の導入は、計算方法を教える前に「分ける必要感」をつくる。
そのため、子どもが「どう分けたらいいの?」「同じ数ずつってどういうこと?」と考え始める場面づくりが重要になります。 つまり、わり算を先に説明するのではなく、子どもの中に問いを生むことが導入の出発点です。
わり算の導入を動画で見る
まずは、授業てらすの実践動画をご覧ください。 動画では、3年算数「わり算の導入」で、子どもがどのように考え始めるのかを見ることができます。
動画を見るときは、教師が何を説明しているかだけでなく、子どもがどの場面で「考えたい」と感じているかに注目してみてください。 そこに、わり算の導入を変えるヒントがあります。
なぜ教科書的な導入だけでは不十分なのか
3年生にとって、わり算は新しく出会う計算です。 そのため、教師は最初に「同じ数ずつ分けるときは、わり算を使います」と説明したくなります。
しかし、最初から説明が多くなりすぎると、子どもは「考える人」ではなく「聞く人」になってしまいます。 その結果、「なぜわり算を使うのか」を実感しにくくなります。
ありがちな導入
教師がわり算の意味を説明する。
子どもは式の書き方を覚える。
しかし、「なぜわり算を使うのか」が実感しにくい。
子ども主体の導入
子どもが分ける場面に出会う。
そして、「どう分ける?」と考える。
その後で、わり算の意味や式につなげる。
図解|わり算の導入で変わる子どもの姿
わり算の導入で大切な3つのポイント
1.先に用語を教えすぎない
「わり算」「式」「商」という言葉を先に出しすぎると、子どもは言葉を覚えることに意識が向きます。
一方で、導入で大切なのは、「同じ数ずつ分ける」とはどういうことかを実感することです。 例えば、おはじき、カード、ブロックなどを使います。
その結果、子どもは実際に分けながら、「どう分けたら同じになる?」と考え始めます。 これが、わり算の導入を子ども主体に変える第一歩です。
2.答えよりも考え方を扱う
わり算の導入では、答えが合っているかどうかに目が向きやすくなります。 しかし、学びが深まるのは、答えを出した後です。
教師:どうやって分けましたか?
子どもA:1つずつ配りました。
子どもB:最初にだいたい同じ数にしてから、残りを配りました。
教師:同じ答えだけど、分け方が違いますね。どちらの考えも説明できますか?
このように、答えだけではなく、分け方や考え方を共有します。 そのため、子どもは「計算は考え方を説明するもの」と感じられるようになります。
3.操作から式へつなげる
具体物を分ける活動だけで終わると、単なる作業になってしまいます。 だからこそ、操作したことを言葉にし、図にし、式につなげることが大切です。
操作 → 言葉 → 図 → 式
この順に進むことで、子どもはわり算を「急に出てきた新しい計算」ではなく、「自分たちの考えを表す方法」として理解しやすくなります。
わり算の導入で子どもが考え始める授業の流れ
3年算数「わり算の導入」では、次の流れを意識すると、子どもが自分から考えやすくなります。
場面に出会う
具体物やイラストで「分ける場面」を提示する。
まず考える
すぐに教えず、子どもが自分の分け方を考える。
比べる
友達の分け方と比べて、共通点や違いを見つける。
式につなぐ
操作や図を、わり算の式として表す。
図解|わり算の導入で子どもの思考が動く流れ
わり算の導入で使える発問例
子ども主体の授業をつくるには、教師が説明を減らすだけでは不十分です。 そのため、子どもの考えを引き出す発問が必要です。
- どう分けると、みんなが納得できそうですか。
- 同じ数ずつ分けるには、どんな方法がありますか。
- 1人分はいくつになりましたか。
- 友達の分け方と、自分の分け方はどこが同じですか。
- この分け方を、図で表すとどうなりますか。
- この考えを、式で表すことはできそうですか。
- かけ算とつながっているところはありますか。
発問のポイントは、すぐに「正しい式」へ向かわせないことです。 まずは、子どもの分け方を見取ります。
そのうえで、「なぜそう分けたのか」「友達の考えとどこが似ているのか」と問い返します。 すると、子どもはわり算の意味を自分の言葉で説明しやすくなります。
板書例|わり算の導入で大切にしたいこと
3年算数「わり算の導入」では、板書に答えだけを残さないことが大切です。 場面、子どもの考え、図、式を順に残すと、学びの流れが見えやすくなります。
- めあて:同じ数ずつ分けるときの考え方を説明しよう。
- 問題場面:〇個を□人で同じ数ずつ分ける。
- 考え方1:1つずつ配る。
- 考え方2:まとまりを作って分ける。
- 気づき:どの人も同じ数になるように分けている。
- 式:〇 ÷ □ = △
- まとめ:同じ数ずつ分けるとき、わり算を使う。
このように板書すると、子どもは式だけを覚えるのではありません。 自分たちの操作や言葉が、わり算の式につながっていることを実感できます。
3年算数「わり算」の導入でよくある失敗
わり算の導入では、教師が最初に説明しすぎてしまうことがあります。 しかし、その結果、子どもが「聞く人」になってしまうことがあります。
また、具体物を操作する活動だけで終わると、単なる作業になってしまいます。 だからこそ、操作を言葉や式へつなげることが重要です。
授業改善のチェックリスト
- 教師が説明する前に、子どもが考える時間をつくっているか。
- 子どものつぶやきを、問いとして取り上げているか。
- 答えだけでなく、考え方の違いを扱っているか。
- 操作・図・言葉・式をつなげているか。
- 「なぜその式になるのか」を子どもが説明できるようにしているか。
3年算数「わり算」の導入に関するよくある質問
わり算の導入では、最初に何をすればよいですか?
最初から式を教えるよりも、「同じ数ずつ分ける場面」に出会わせることがおすすめです。 その結果、子どもはわり算の必要感をもちやすくなります。
子ども主体の算数授業にするには、教師は何を意識すればよいですか?
教師がすぐに説明するのではなく、子どもの考えを引き出す発問をすることが大切です。 例えば、「どう分けたの?」「なぜそう考えたの?」と問い返します。
まとめ|わり算の導入は、子どもが考え始める場面づくりから
3年算数「わり算の導入」で大切なのは、計算方法を先に教えることではありません。
まず、子どもが「どう分けたらいいのか」と考え始める場面をつくります。 その後、操作、言葉、図、式をつなげていきます。
だからこそ、わり算は単なる計算ではなく、子どもにとって意味のある学びになります。
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